美瑛は丘陵地帯を開墾した畑が連なる場所です。丘のまま畑になっているので、トラクターが豪快に斜めになりながら土地を耕すのですが、その姿たるや圧巻です。いろいろな作物が植えられますが、土地が痩せてしまうため毎年同じものが植えられることはあまりありません。つまり毎年景色が変わるのです。カメラを担いでこの地を訪れると、まずその変わりように面白さを感じます。近くに険しい山々があるため天候も不安定で、刻々とダイナミックに景色が変わっていくのも魅力の一つです。人があまり入ってこない、いわゆる自然風景の撮影とは違いあくまで畑なのですが、そこに人の営みが見え隠れするのも撮り手を飽きさせないのでしょう。そして、うねり、広大な畑に、ポツンと立つ木々。この広い空、リズミカルに連なる畑こそが自然のホリゾンタルであり、最高にシンボリックな木々をより魅力的にして、はじめてカメラを構える人でも撮った気にさせてくれる、そんな面白い場所なのです。