(2) とりあえず空の色を濃くして、その後全体のコントラストと明るさ、彩度を調整することにしました
・・・で、いきなり「なんちゃって」大技に出ます。空だけ濃くしたいわけですから、特定の色を置き換える便利なメニュー「色の置き換え」を豪快に使います。読んで字の如く、特定の色を選択して置き換えてしまうというなんとも乱暴なメニューです。清く正しい方法?では、ブルー&シアンの色のみをナーバスにコントロールするのですが、A4サイズ程度のプリントにそんな手間暇は必要ありません。レタッチはやりだすと幾らでも時間がかけられるもの。だからこそ「手抜き」が重要です。
(4) +(プラスマーク)のついたスポイドに切り替えて、空全体を濃くしていきます
前段階でクリックした空は、スライドバーをマイナス側に振ることで濃くなりました。そして+マークのついたスポイドに切り替えて、濃くなっていない領域を「ここも!」「ここも!」といった感じでクリックしていきます。すると最初の部分を基準に空の色が全体的に濃くなっていきます。ちなみに、空の色が一定「青」ならよいのですが(濃度の違いは場所によってあったとしても)、夕方のような暖色が一部混じるような空だと、この乱暴なやり方は通用しません。
(6) トーンカーブで、全体のコントラストを調整します
「イメージ」→「色調補正」→「トーンカーブ」でツールを開き、トーンカーブを調整します。ツール画面内の四角の左下がシャドー、左上と右下がハイライトを意味します。あまり難しいことを考えず、とりあえず横軸だけ考えるとします。左側が階調のシャドー領域、真ん中あたりがミドル領域(そのまんま)、右側がハイライト領域となります。ツールを開いた段階だと、右上と左下を結ぶ対角線がある状態ですが、この線上に「ポイント」を置くことができます。つまり、横軸で見る、たとえばハイライト領域あたりの線上をクリックすると、そのポイントを記憶してくれます。・・・つまり、各領域コントロールしたいところでポイントを置くのです。そして、このポイントは動かすことができます。ポイントを動かすと線は緩やかな曲線を描きます。ちなみに、この画面での曲線はこんな意味。「ハイライト領域を持ち上げ=空を明るくし、雲を白くする」+「ミドル領域は若干明るめに」+「シャドーは少し落として、締める」という感じになります。カラー画像にコントラストを与えるときは、だいたいこんなカーブになると覚えてください。(この例は少々大袈裟で、もう少し振り幅の小さいカーブが一般的です)
(1) まずレイヤーを複製します
さて、赤が浮いて実車と色合いが明らかに違うので、バイクのボディカラーを最優先にレタッチします。ここでは、赤に黒を載せて、シャドーとてかっているハイライト領域のコントラストをつけ、かつ、色に深みをもたせようという作戦です。というわけで、手っ取り早くモノクロ化した画像をカラー画像にあわせてミックスさせるという荒技に出ます。
(3) レイヤーをモノクロ化します。
少し「レッド系」を標準よりマイナス気味にするとよいでしょう。これで赤色部分が濃い黒になります。OKボタンを押してモノクロ化完了です。
(4) 次にカラー画像のレイヤーとモノクロ画像のレイヤーを混ぜ合わせます
レイヤーパレットでモノクロ化した画像のレイヤーを選択した上で、矢印のリストボックスから「乗算」を選んで、「塗り」のリストボックスをクリックして、下のカラー画像に対して何パーセント重ね合わせるかを指定します。だいたい20%〜30%ぐらいでしょうか。
(5) レイヤーを統合します(重ね合わせます)
これで元画像に比べて赤色に黒が載りました。
(6) トーンカーブで全体のコントラスト調整
先ほどの画像と同じく、トーンカーブで全体を調整します。いきなりトーンカーブで調整するのではなく、赤色に黒を載せるということを事前に行って、最後にトーンカーブでコントラストをコントロールすることで、赤色がより締まる・・・という寸法です。
(7) 最後にツールパレットから「シャープツール」を選択し、バイクだけにシャープをかけます
シャープをかける範囲はメニューバー近辺(画面中の赤矢印)でサイズを可変することができます。バイクの上をシャープツールでなぞることで、バイクだけにシャープがかかります。これでバイクにキレが生まれ、前景や背景とのメリハリもつきます。
(8) できあがり。コンパクトデジタルカメラで撮った画とは思えない仕上がりに。
※最後の工程からトーンカーブで微調整しています。(おもにイエローを載せる作業を行っています)
まとめ
レタッチを行う際の留意点をまとめます。