まずは「ヌケ・コク・キレ」だけで OK
プロフェッショナルの世界ではレタッチを専門にする人(通称 ?:画処理)がいるほど突き詰めれば深〜いのですが、ここでは"なんちゃって"な方法をご紹介。たとえば「ヌケ・コク・キレ」。この意味を理解するだけでプリントが別物に。そしてレタッチの基本中の基本が身につきます。
コツがわかると、ものの10秒。超適当レタッチ。
正直空をよく見るとトーンジャンプ(階調が段々になってしまっている)、画面中央付近の木々を見ると少し暗く潰れ気味。複雑な工程を経ずに適当にレタッチした結果です。しかしプリントした際の仕上がりは、撮って出しの画像をストレートにプリントするよりは全然よいはずです。ここでレタッチの工程は解説いたしませんが(詳しい解説ページはこちら)、以下のポイントだけ覚えておいてください。
まずやってしまいがちなのは、画像全体にメリハリが無いので、全体を明るくしたり暗くしたり。でも空は色濃くあってほしいわけですから、全体を明るくするということは空の色は薄くなってしまいます。逆に全体を暗くすると、空に色は載りますが、そのまま全体が暗くなってしまいます。レタッチで一番大事なこと。それは「欲張ること」なのです。
・・・といった具合に、外せないポイントをまず実行、その後全体を調整するということを覚えておいてください。
赤を艶やかに。バイクはもっとエッジが立った機械なのだからシャープに(ただしバイクだけ)。
わかりやすく少々派手目にレタッチしましたが、実車の色はこんな感じで、深みがあって艶やかな色なのです。レタッチ前の画像をぱっと見て、直感的に赤色の部分だけ何らか触ってこの色を表現しようと思っても難しいと言えます。明るくしたり暗くするだけなら簡単なのですが、深みがあって艶やかな色にするということは、少々思考を切り替えなければなりません。簡単です。「深み」と「艶やか」と分離して考えましょう。
赤色というのは非常に扱いにくい色で、画像全体で明るさを持ち上げても下げても、色そのものが変わってしまうことが多いのです。しかもデジタルカメラはこの赤色の再現が難しいことが多いようです。またコンパクトデジタルカメラは撮ってそのままの状態でないと下手に画像を触ると破綻しかねません。詳しい解説は省きますが、わかりやすく言うと、あの小さなボディで余裕たっぷりの画像を吐き出すのは色々と難しい、とだけ覚えておいてください。つまり撮ってそのままが一番よいのです。そんな状態から手を入れるわけですから、撮った画像をアレコレと触るのではなく「色を足す」的に触ってみます。プロセスは以下のとおりです。詳しい解説はいたしませんが、原理だけにご注目(こちらで詳しく解説しています)。
・・・といった具合に、今回も同じく「どうすれば良くなるのか?」ということをピンポイントごとに考えて、ピンポイントごとに処理するのです。そして最後に全体の調子を合わせればよいのです。
まとめ(1) 画像に「ヌケ・コク・キレ」を。
これを心がけるだけで、存在感のある写真に仕上げることができます。
まとめ(2) レタッチはやりたいことをバラして考える
画像全体をぼんやり見つめて、何がどうなれば良くなるのかを考えます。そして一番大事なことから作業を初めて、一つずつ解決して、最後に帳尻あわせをします。これを結構全体で捉えがちなのですが、実は積み重ね作業なのです。・・・ということはレタッチとはある意味簡単なことで、右脳的な作業だと思いきや、実は左脳的な作業なのです。つまり、ある程度公式みたいなものが存在します。ひとつひとつ何をどうすればどうなるか、ということを覚えていくうちに知らぬ間に上達するのがレタッチです。案外、最初のうちはこのあたり勘違いしがち。
まとめ(3) 色の原則ぐらいは知っておく必要があります
最低限これだけは覚えておく必要があります。逆にこれだけ知っていればあとは応用でOK。