田舎育ちの自分は、正直見飽きている光景のはずです。
何の変化も期待できない未来、置き去りにされ忘れ去られたその様を映し出したような光景に退屈な溜息しかでませんでした。
気がついてみればそれから20年近くが経ち、追いかけている光景は自分の田舎そのものだったりします。
人は自然を求めます。排ガスまみれの道路脇に木を植え、工事現場の壁面に森を描く。鉄筋コンクリートの軒先に竹を植える。
自然の全てが為すがままの有り様に、何かを貰おうとしているのかもしれません。
日常生活から、こんな光景を外に締めだし、
カメラを構えてみれば、締め出したはずのものを追い求めてみる。まるで消費しているかのよう。
少しポジティブに捉えれば、複雑怪奇な世の中と自分自身の本能がバランスを取ろうと頑張っているのかもしれませんね。
LEICA M9は晩秋の高原巡りで、久しぶりに撮影の楽しさを思い出させてくれました。
ピントはマニュアル、AE(自動露出)こそあるものの、レンズはすべて単焦点。いちいち撮影はスローテンポです。
単焦点のおかげで画角の制限を受けるため、光景を撮る前に、まず「見る」。
実は大事なことです。カメラやレンズに写真を撮らされていませんか?
光景をかすめ取るように消費していませんか?
写真を実感したい人に、見ることを実感したい人に、感じたことを残したい人に、ライカM9は何かを教えてくれるかもしれません。
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