クラシカルなルックスに意欲的なギミックを組み込んで、高画質・高品位なコンパクトデジタルカメラとして高い評価を受けたフジフイルム X100。発売よりおよそ1年を経て、限定のブラックモデルが登場します。往年の金属カメラを思わせるオリジナルのシルバーボディと比べ、ブラックボディはぐっと引き締まった印象。その昔ライカM3を使っていたアンリ・カルティエ=ブレッソンが「シルバークロームボディが目立たぬように黒くしていた」なんていうエピソードに思いを馳せれば、今回のリミテッドエディションはX100をさらに戦闘的に、写真を撮る道具として進化させた一品といえるかもしれません。
半光沢でしっかりと厚めのペイント。吸い付くような感触は、ブラックペイントならではの心地よさです。
ブラックのレンズフードも同梱。このフードが格好いいのです。
背面からも、隅々まで手抜かりなくブラック。
丁寧な加工が施された上面ダイヤルとトップカバー。
レンズカバーを装着した佇まいは静謐の一言。
内側のレッドが粋なボディケース。使い込むことでレザーの風合いが変わっていくのも楽しみです。
長年カメラと付き合ってきた方ならご存知の通り、白か黒かは極めて深刻な問題です。ボディがシルバーであろうとブラックであろうと撮れる写真に違いはないと、興味のない方から揶揄されることもあるでしょう。しかし手にして気分が違うものならば、撮れる写真の結果も必ず変わります。身につけて格好いいものなら持ち歩く機会も増え、撮影の感触がよければシャッターを切る回数も増えるはず。X100 BLACKの質感は限定モデルに相応しい高品位の仕上がりで、スマートに写真と向きあう大人にぴったりの一品です。シルバーのX100をお持ちの方こそ気になる存在かと思いますが、白と黒、両方持ってはいけないということはありません。ぜひ一度手にとって、お確かめください。