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まさに "標準レンズ" ならぬ「標準コンパクト」。先代よりテレ側が少し伸びて120mmに。普段使いには望遠もこの程度あればたいてい事足り、ワイド端も24mmとなれば、広角独特の伸びやかさが十分表現できます。先代との主な違いは、(1)この焦点距離のレンジが拡がったこと、(2)先代よりも少し薄くコンパクトになり、(3)GPS機能が搭載されたことなど、まさに普段使いから、ちょっとした撮影旅行までカバーしてしまう「全部載せ」状態となり、これ1台持っているだけでたいていのシーンは捉えられることに。元々このモデルは、一眼レフの世界で言う「標準レンズ」的なコンセプトのカメラでしたが、今回のモデルチェンジでさらに手堅さが増した印象です。

 


筆者は2代前のS90ユーザーです。最新のS100は、若干コンパクトになった印象です。表面の仕上げは、先代が「つるん」としていたのに比べ、もう少しマットで指触りも平滑感が減り、ホールドしやすい印象に。また、カメラ前面に指かけが設けられました。レンズ付け根の機能を割り当てられるリングは健在で、筆者はこのリングに露出補正を割り当てています。「カチカチ」とリングを回せば露出補正ができる仕組みですね。これが非常に便利で、その他ステップズームや色々な機能を割り当てることができます。あと、これは好みによるとは思いますが、下の中央のカットのように(左がS90、右が最新のS100)ではシャッターボタン回りの配置が異なっています。先々代S90/先代S95ではシャッターボタン横に二つのボタンが並んでいたのですが、先々代S90ではシャッターボタン側がファンクションボタン、ボディ中央側に電源ボタンが配置されていました。これが電源が非常に入れづらかったのです。さっとカメラをホールドしつつポケットや鞄から取り出して、「よっこいしょ」と指をカメラ中央あたりまで伸ばさなければならないため、すぐに電源を入れづらく、1枚目が撮りづらかったのです。これが先代S95になると「ファンクションボタン」「電源ボタン」が入れ替わりました。おそらく色々と意見が寄せられての改良なのでしょう。最新のS100では、シンプルにシャッターボタンと電源ボタンの二つに改められ、シャッターボタンはクロームに変更となりました。見た目もシンプルに、そしてボディ前面の指かけとの位置関係もよく、使い勝手が一段とよくなった印象です。相変わらずシンプルなルックス、コンパクトなボディが普段持ち歩きたくなるカメラですが、今回S100ではシルバーボディも追加されました。好みでチョイスできるのはうれしいですね。

 




目を開けてらいられないような猛烈な真逆光。ゴーストやフレアがそれなりに出るかな??と撮影してみればこのとおり。可愛げがない?ほどに優秀な描写です。

 


車内からフロントガラス越しに撮影。通常もう少し色が濁りそうなものですが、ヌケ、キレともに良好。少しリバーサル調に画作りが変わったのでしょうか??



さて、意地悪にISO1600、テレ端付近で撮影してみます。一昔前のコンパクトでは正直なところISO400でも撮りたくなかったものですが、いまやカラーネガ並みに佳くなりました。かなり遅いシャッター速度でしたが、手ぶれ補正もかなり効く印象です。


コンパクトデジタルはこれができるから・・・もちろんマクロもレンズが湯気で曇るほど寄れてしまいます。ワイド端開放が明るいので(F2)、バックはかなり大きくボケます。

とりあえずコンパクトデジタルを購入したけれど、値段で決めてしまった、または、「とりあえず」買ってみた。撮ってるうちにだんだん写真が面白くなってきたような方に、絞りやシャッター速度を自分で決めて撮影できる、このS100をおすすめいたします。また、日頃はミラーレスやデジタル一眼で撮影を行う方も、コンパクトデジタルならではのマクロ機能や、まさにコンパクトなカメラを1台、なんて方にも非常におすすめです。シンプルなルックス、これ以上小さくなると撮影しづらくなるというギリギリの大きさまでコンパクト化されたボディ。そしていまどきの機能は全て載ったこのカメラ。まさに「標準コンパクト」としてご活用ください。

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