絞り開放から猛烈にシャープ、美しいボケ味、16cmという最短撮影距離、36mm相当の画角。NEX-5Nの画がそもそも素晴らしいのもありますが、やはり写真はレンズで決まります。キットレンズにはキットレンズの役割と良さがあり、高額な交換レンズは、その価格なりの価値が確かにあります。NEXシリーズの画の素晴らしさに触れられた皆さんに、ぜひ開けてよし、絞ってよし、寄ってよしのこのレンズを、あえて普段使いのために手に入れて欲しいのです。単焦点レンズはその写りの素晴らしさの代償に、ズームレンズのような利便性は望むべくもありません。しかし佳いレンズを手にいれられて、ぜひ苦労していただきたいのです。きっと、もう1段階写真の世界にのめり込まれるのではないかと感じます。ベテランの皆様、言葉を並べるまでもなく作例をご覧になってください。そしてこの素晴らしいレンズを手に入れられて、より一層写真のある生活を愉しんでください。
何ともうしましょうか。曖昧さの一切無い写り味。後ろボケに少々に線傾向がありますが、被写体との位置関係に依存する傾向です。しかしこれぐらいクセがあったほうが逆にリアリティが出てくるのではないかと個人的には感じます。困る場合は、位置関係を見直してコンポジションを考えればよいのです。
ほぼ最短付近での撮影です。もうレンズがぶつかりそうなぐらい寄れてしまいます。24mmという焦点距離にしては望外のボケ味の良さです。
非常に緻密で力強い描写です。コントラストも高く、かといって階調がツブれるようなこともありません。
生命感を覚える描写。実質24mmの焦点距離ですから、135フルサイズでの35mmの画角の感覚で行くと、若干パースに違和感を覚えることも。しかし、この焦点距離のわりには妙なデフォルメーションは無く、自然なパースがつくので印象は佳いのではないでしょうか。
右側の樽部分のボケ味と、その後ろのケースあたりのボケ味を見比べてみてください。手前の樽の方が二線傾向が出ています。しかし逆にボケ味があまりにツルンとしていると、立体感を得にくくなったり。人それぞれ好みがあると思いますが、この作例の通り、被写体と背景の距離とボケ味の違いを頭に入れておくとよいのではないかと思います。
NEXシリーズの画の佳さに舌を巻き、高品位の単焦点レンズを待ち望んでおられた方は大勢いるのではないでしょうか。文句のつけようのない素晴らしいレンズの登場です。少々値は張りますが、「この1本だけにのめり込む価値あり!」と感じる1本です。作例の撮影中、NEX-5Nの液晶画面の美しさも手伝って、このレンズの素晴らしさを現場で感じましたが、やはり佳いレンズは撮影ものめり込んでしまいます。製品のプレスリリース以降、気になっていた皆様へ。イチオシです。