他にはない透過ミラーを実装し、驚くべき速度とコンパクトなパッケージを実現したα55。発売から1年を経て、兄貴分といえる2台「α77」「α65」が登場しました。画素数の向上や高感度の改良、有機ELファインダーの搭載など、確実なスペックアップを果たしている新しいα。一眼レフカメラのユーザに向けてしっかりと装備を整えてきた感があります。

NEXシリーズなどで限りなくコンパクトなカメラの形を模索する一方で、脈々と続いてきた一眼レフタイプのカメラを、新しい技術をもって真っ向から変えていこうとするソニー。α77を見ていると、写真を撮る道具としての「必然」にも、まだまだ変化の余地があるのだと感じます。

マグネシウム合金のボディは質感もグレードアップ。このぐらいの大きさのカメラになると、いかにも「撮るぞ」という気になります。
曲面を積極的に用いた、しなやかなフォルムです。プリズムの制約から逃れたこともポイントでしょう。
背面のボタンは再配置されましたが、基本的な位置関係は踏襲されています。
上面表示パネルはα77だけの装備。
本シリーズの肝といえるトランスルーセントミラー。高速なレスポンスとAFを生む、ソニーならではのテクノロジーです。
背面液晶モニタは可動式。α55より可動域が増え、より柔軟なポジションが可能になります。
一段と液晶は良くなりました。そして搭載された有機ELファインダーは「光学ファインダーか」と見紛うほどの出来。写真でお伝えできないのが残念です。

コンパクトなボディと軽快なスピードで、α55は広く受け入れられた機種になりました。そのテクノロジーを正統に進化させたα77は、デジタル一眼の世界にまたひとつ、新しい風を吹きこんでくれそうです。今回は実写レビューをお届けできませんが、格段に細かくなった解像度のセンサーがどんな画を見せてくれるのか、期待は膨らみます。

Aマウントをお使いの方にはもちろん、エントリーモデルのカメラでは少し物足りない方、最新技術は一度触れておかなければ気が済まない方などに、ぜひ手にとっていただきたい一台です。