ついにレンズ交換式ビデオカメラが手が届く価格で現れました。HDであることはもちろんのこと、既存のハンディカムの約19.5倍もの広大な1460万画素APS-Cサイズセンサーを搭載しての登場です。アンテナの高いユーザーの皆様はワクワクされてるのではないでしょうか。言わずもがな、一般的にレンズ交換式といえばNEX-VG10の数倍の価格。いつかレンズ交換式に手を出したいと思っていても、なかなかに高嶺の花。手が届く価格で現れたことこそが最大のインパクトではないでしょうか。NEX-VG10を手にすることで、SONY Eマウントのレンズをはじめとし、デジタル一眼レフのαシリーズのレンズを絵筆として手にすることができます。まさに黒船来襲。ぜひNEX-VG10を手にして画作りのバリエーションを増やしてください。
何も難しいことはしません。三脚に据えたりピントもシビアに追いません(マニュアルフォーカスで撮影)。さすがに大きなセンサーを積むだけあって、こんなルーズな撮り方で雰囲気のある画になります。
NEX-VG10に付属するレンズは、さほど明るいレンズではありませんが、それでもこのボケ量です。APS-Cサイズのセンサーだからこそ。絞りを開けて撮影するだけで奥行きが生まれます。
APS-Cサイズの非常に大きなセンサーで、像面でのコントラストAF。手持ちでズーム・テレ端、絞り開放、薄暗い体育館という非常に意地悪なシチュエーションで使ってみました。そもそも記録ならば通常のビデオカメラで撮ればよいのですが、NEX-VG10の特性を活かして、特定のモーション・シーンに絞り込んで素材的に撮り、スポーツなどに適したビデオカメラで撮影した映像と合わせて編集すると面白いかもしれません。
マニュアルフォーカスとなってしまいますが、写真用レンズを使えるメリットは計りしれません。超広角から超望遠まで様々なレンズが使えます。作例ではF1.8クラスの明るいレンズを使用。ここまで極端に深度の浅い映像が手に入るのです。
レンズ交換式だからこその作画自由度、ミラーレス一眼レフNEX-3やNEX-5と起源を同じくするからこその遊び心満点のカラーモード、大きなセンサーを積み、その包容力から積極的にハイキーに振ることもできます。とにかく存分に遊べるカメラなのです。どう料理するかはみなさん次第。
デジタル一眼レフに動画機能が搭載されても、露出をマニュアルでコントロールできなかったり、スチルカメラ故にビデオカメラのようなホールディングに難があり撮影しづらかったり。NEX-VG10は紛れもなくビデオカメラであり、このあたりのエクスキューズがありません。しかし、大きなセンサーを搭載するが故に、通常のビデオカメラのAFのような使い勝手は望めません。ただ、それを補ってありあまる魅力が大きなボケとレンズが交換できるという点でしょう。
いわゆる「記録」的に使いたいなら、場合によってはゲイン(感度)を上げて絞り込んで撮る。絞りを開けて浅い被写界深度でクリエイティブに。そんな新しいビデオカメラがNEX-VG10だと言えます。ちなみに手動ズームで、ズーミングの音を拾うのではないか? スチル的な手ぶれ補正ではないのか?・・・なんて心配をされる方が多いのではないかと思います。筆者もその1人でした。さほどご心配されなくても大丈夫とだけつけ加えさせていただきます。レンズ交換式に憧れていた皆様、ぜひNEX-VG10で存分に遊んでください。