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LEICA(ライカ) X1

ポケットに「満足」

ルックスに満足
バルナックライカを彷彿させるスタイル。シンプルでシックな色合いのボディにキャッチーなお馴染みの赤丸Leicaロゴ一つ。デジタルカメラ数あれど「なぜ他もこうならないのか?」といった説得力。皆さんはどう感じますか? 買ったからには毎日持ち歩きたい。ルックスはかなりプライオリティの高い要素ではないでしょうか。
画質に満足
APS-Cサイズ相当の大型センサー、専用の固定単焦点レンズに専用のチューニング。このパッケージングが一般的なコンパクトデジタルカメラとは比較にならない、デジタル一眼レフと同等若しくはそれ以上の極上画質を生み出します。メインカメラとしても十二分、ややもするとメインカメラを凌駕するスーパーサブとして活躍することでしょう。
コンパクトさに満足
ある種デジタルカメラのボディサイズと画質は比例するものです。稀に例外がありますが、まさにX1はその例外でしょう。気軽だからこそいつもポケットに入れて持ち歩ける。結果よいシーンに出会える機会も増えるでしょう。そして極上の画質を約束してくれる。X1はポケットに安心と満足を与えてくれるのです。

実写サンプル

LEICA X1 1/320 F5 ISO100 JPGで撮影、コントラスト調整のみ (クリックで原寸拡大)
レンズの歪曲チェックと周辺の描写をチェックするために撮影。DNG+JPG同時記録にて撮影しましたが、標準現像ソフトが撮影段階で不明だったため、メーカーの意図がくみ取れると考えてJPGのほうを掲載します。DNGとJPGで同じような歪曲が見受けられたためカメラ側での補正は入っていないのではないかと思われます(プレビューに使用したソフトはCapture One Pro 5)。少し歪曲が見受けられますが、日常使用に困る程度ではないかと思われます。もっとも典型的な樽型なのでソフトウェアでの補正も比較的簡単であると思われます。ピント位置はガラスの模様であり、周辺部はF5といえども若干アウトフォーカスになります。四隅にほんの少し乱れが見られますが、よく写るレンズだと感じます。彩度と色味は随分控えめでライカらしさを感じます。派手めな描写がお好きな人には不向きかもしれません。
LEICA X1 1/1000 F2.8 ISO100 JPGで撮影、コントラスト調整のみ (クリックで原寸拡大)
逆光でのテスト(ほぼ真逆光ですが)。画面中心部にフレアがほんの少し出ている以外はよくいなしています。しかし渋い色味です。立体感はかなりのものでリアリティの感じられる描写です。現場ではもう少し露出を切り詰め気味にしたつもりでしたが、実際には意図したよりも若干オーバー目に。使い始めて間もなかったこともあり、毎度思うことですが液晶モニターの再現はどんな機種でも脳内キャリブレーション(?)が必要です。しかし大きなギャップはありませんでした(LEICA M9などはこのギャップが凄まじい・・・)
LEICA X1 1/800 F5.6 ISO100 JPGで撮影、コントラスト調整のみ (クリックで原寸拡大)
ボケ味とシャープネスを探ってみたカット。F5.6という絞り値にもよりますが、後ろボケにも立体感が感じられます。手前のポールに置かれた意味不明なオブジェのシャープネスはかなりのものです。しかしよく立体感が出ています。感心しました。
LEICA X1 1/800 F5.6 ISO100 JPGで撮影 (クリックで原寸拡大)
左がDNGをストレート現像、右がJPGで撮影したもの。上の画像の100%クロップになります。JPGではかなりシャープネスがかかり、コントラストもかなり切り詰められています。対してDNGは素材性重視なのでしょう。かなり中庸な画で、実際に後処理もしやすく感じます。
LEICA X1 1/30 F2.8 ISO100 JPGで撮影 (クリックで原寸拡大)
階調のテスト。デジタルカメラが最も苦手とするシーンだと思われますが、このあたりにメーカーの画作りの特徴がよく出るのではないかと思います。日の出直後のシーンですが、太陽周辺の描写が非常に難しいところです。唐突な色転びやトーンジャンプが起きやすいのです。少しオーバー目に撮影したのでかなりリスキーだったのですが、なかなかよくまとまっているのではないでしょうか。
高感度テスト。左の画像の一部分をそれぞれ100%クロップ。手持ちなのでISO100/200がブレてしまってます。実用的な感度はISO800まで、場合によってISO1600までといった感じでしょうか。ISO3200となると、ノイズ増大と共に急速に像が甘くなりコントラストも低下します。用途がWEBなどでの活用であれば縮小が前提となりますので問題はあまりありませんが、緊急用と心得た方がよいと感じます。

総括

メディアから引く手あまたなのか、スケジュール的に非常にタイトな中でのテストでした。使用した機材はプロトタイプであったため、最終的な画作りや外観は製品版と異なる可能性があります。また標準現像ソフトが不明であったため、DNGによる本来のポテンシャルを探りきれない面があったことをつけ加えておきます。しかしJPGの画像ですら、ライカM8/M9などに下手なオールドレンズを取り付けて撮影するよりも格段に高画質が得られます。このあたりAPS-Cサイズの大型のセンサーを搭載し、専用の単焦点レンズでまとめられたパッケージングが功を奏しています。そしてこれはライカM8やM9に限らず、不特定多数の交換レンズを取り付けるデジタル一眼レフに対するある種のアドバンテージでしょう。さて、ライカユーザーなら最も気になるデジタルカメラとしてのモノの出来、つまり、プロダクトとしてこなれているかということですが、全体的にはよく作り込まれている印象を受けます。メニュー構成はM8やM9と似通っていて、これらのユーザーははじめてでも違和感なく使用できるように感じました。非常に心配していたAFですが、思ったよりも合焦速度も高く、精度も悪くないものでした。ただし迷いやすいシーンでは合焦しなかったりと、大判センサーを用いたコントラストAFでは限界があるのかなと感じました(同様の機種と同等か少し良い程度)。ただしMF操作時には液晶モニターで拡大クロップされますので、迷いやすいシーンでは最初からMFで撮影するのがこのテのカメラのお作法なのでしょう。

全カットDNG+JPGの同時記録を行ったのですが、面白いことにDNGの画のほうが色味は派手なのです。JPGではトーンが寝かされフラット気味に、そして彩度をぐっと低めにコントロールされています。普通はJPGのほうが派手になりそうなものですが、実に通好みの画作りというか、このあたりが新鮮でした。恐らく目を奪われる色載りやヌケ、キレといったものよりも、リアリティを重視した画作りなのでしょう(ただし標準現像ソフトでDNGを読み込んでいるわけではないので、このあたりは差し引いてください。影響があるのかどうかは筆者もよくわかりません)

 

このカメラのターゲットとなるユーザーは、コンパクトデジタルカメラのような、まさにコンパクトなカメラが欲しいけれども一般的なコンパクトデジタルカメラの画質に満足できない人で、使うからには十二分な画質が得られることをお望みの方。そして持つからには他では味わえぬ所有感を満たしてくれるカメラをお求めの方でしょう。最後に、M型を彷彿させるプリミティブだからこその機能美と操作性を持ち合わせることをつけ加えておきます。他に目移りせず、一通りに対応できる35mm相当の画角を持つ単焦点を搭載したX1を1台。撮影に半ば制約を設けて、これだけを使い込むというのも楽しいのではないでしょうか。またそれだけの値打ちを感じる、小さいからといって何らエクスキューズのない高画質。ライカ社らしいデジタルカメラでした。

 

 

 

 

 

ライカX1 [スチールグレー]

まさにフイルムコンパクトのライカCMやCMズームの置き換えのような感じですね。

ライカ 18709 [ライカX1用レザーケース]

ケースも用意するなら格好よく。つまりそういったカメラでありメーカーなんでしょう。

ライカ 18712 [ライカX1用ハンドグリップ]

コンパクトなのはよいですが、実際の撮影にはハンドグリップが重宝すると思います。

 

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