かの木村伊兵衛さんも愛用したと言われる、ライカ史上唯一のソフトフォーカスレンズ。
このレンズの面白いところは単にソフトフォーカスレンズだけでなく、盛大な収差とフィルターの中心にある丸状の遮光膜によってもたらされる「クセ」。
挙げ句の果てには、古(いにしえ)のレンズということも手伝って、一本一本描写が違うという。
晩秋の気配漂う撮影地。
お日様のありがたみを表現したくて、ほんのり滲む程度まで絞り込み、露出は切り詰め気味に。
そして自然に抱かれるその生活を表現するために、山の量感を利用して空はカット。
使いこなしが非常に難しいレンズ。しかし撮ってその場で確認できるデジタルならではの良さが、この銘玉?迷玉?を活かしてくれます。